2022-01-01から1年間の記事一覧

紛い物の春

誰にも自分のことを知られたくなくて、何度も何度もSNSのアカウントを作り替える癖がある。友人がこの現象を「垢爆破」と呼んでいたから、私もそれに倣ってそう呼ぶことにしている。垢爆破。私の人生も丸ごと爆破できたならどれほど痛快だろう。最近は寝ても…

怪物

一時的な感傷だと思いたいけれど、もう何をしても意味がないのかもしれないと思ってしまっている。これ以上生きていたって意味がない。 数年前から常に希死念慮を抱いたまま生きている。キシネンリョ。一発で変換させてくれないこのノートパソコンも、「ヘル…

軽薄で欠如した生

しばらく日々の記録を付けていなかったなと思ったから、久しぶりに日記を書いてみることにした。改めて言葉の意味を確認したくて「日記とは」と検索したら、「毎日の出来事や感想などを書いた記録。日誌。」と出て、数日分どころか数週間、数ヶ月単位の出来…

彼方の惑星

髪の右側ばかりが跳ねるのも、胃の調子が悪いのも、そう簡単には変化してくれないのに、取り巻く環境や人々の境遇は簡単に変化していくような気がしている。ここ数日間は気分の乱高下が激しくて、生きていたのかそうじゃなかったのか、わからない心地で毎朝…

帰ってもいい場所

このままでは浴槽で泣きじゃくってしまうような気がしたから、fineのNever-ending Stage!!!!を聴いている。以前、ALKALOIDのBelieve 4 leavesの話もしたが、つらく寂しい気持ちをなだめてほしいときは、fineの音楽を聴くことが多い。6月に見に行ったライブで…

どこか知らない海

海に行きたいと言い出してから、そろそろ2年になる。港町で育ったわけでも、海が無い県の生まれでもないけれど、いつからか私の胸の中には「帰るべき海」という概念が存在していて、だから波が寄せる音を聴いたり海の出てくる物語を見聞きしたとき、そこがき…

冒険譚は迷いから始まり幸福へ至る旅

サブスクのお気に入りリストというのは、そのとき何を考えていたか・何を好きだったか・どんな気持ちだったかを思い出させてくれる手がかりのように思う。 リストをたびたび編集して作り替えていくのが私のやり方なのだけれど、昼ご飯を食べ終えてなんとなく…

生きていると実感するための

唐突に思いついたアイデアを実行に移すとき、普段感じることのない高揚感が胸に宿る心地がする。生きながら死んでいるのが日常なら、私にとって正しく生きていると数えられる日は1年に何日もないのかもしれない。生きている実感を得るために、この休日はパン…

自分の脚で

2年前、何も大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをして笑うことが常だった。人気の少ない20時のカップラーメン売り場は張り裂けそうになる胸を自由にするには最適で、高く積まれた商品もしくは派手な立体ポップのうしろで私は声を殺して泣いていた。人が来たら目…

灰色の隙間を割る光だ

思い返せば灰色の空、曇り空を写真に撮ったことはこれまでなかったように思う。夕焼け、夕暮れ、藍色に染まった街。いろいろな空は撮ってきて、その中に雲はたしかに存在していたけれど、雲を主役にした空を美しいと思えたことがないのがその原因な気がする…

あの日見ていた景色を

もうなんにもわからないけれど、これを書き始める5分ほど前、どこかに行ってしまいたいと強く思った。割といつもそういうことを考えている頭だけれど、今日はいちだんとその気持ちが強くて、もし仮に私の身体が家を持たない野良猫だったら、この21時の夜へ簡…

透明になるのは居場所ではなくて

思い返せば中学生の頃には既に、自分が周りからどう思われているかが気になって仕方なかったと記憶している。生活班のメンバーの印象を書き出してみよう、という授業を受けた記憶があって、それは確か中学1年次の出来事だったと思う。中学1年生の私は、同じ…

不出来を優しさで着飾ること

いま、人生でいちばん髪の色が明るい。顎の辺りで切り揃えられたボブ、アーモンドにもミルクティーにも見える色。一度もブリーチの経験がない髪でもここまで明るくなれるのだと知った。 髪を初めて茶色に染めたとき、これでようやく生まれ変われるような気が…

静かに諦めることを

貰ったお菓子が美味しかったとき、社会につなげてもらっているんだなと実感を得る。三が日は駆け足で過ぎ去って、いつも通りの日々が呼吸を始めた。今年に入って初めての雨が降った今日、最高気温も恐らく今季最低を記録している。予報だと7度。上空の気温が…