灰色の隙間を割る光だ

思い返せば灰色の空、曇り空を写真に撮ったことはこれまでなかったように思う。夕焼け、夕暮れ、藍色に染まった街。いろいろな空は撮ってきて、その中に雲はたしかに存在していたけれど、雲を主役にした空を美しいと思えたことがないのがその原因な気がする。ごめん、でも今日の空で考えなおした。灰色は綺麗な色だと思う。

 

5月なのに30度近くまで気温が上昇した昨日と打って変わって、今日の夕に吹く風はほんの少しの清涼感を含んでいた。湿度が控えめの日は髪がぺたんこにならないから嬉しい。そういえば、今度出かける週末は湿度がすごそうなのに未だに湿度対策の新アイテムが見つからない。先週、何年も前に使用期限の切れただろう耐湿クリームを塗ったら意外とさらさらな髪を手に入れられたので、もうそれを使うことにする。

 

ほとんどを雲に覆われて、ほんの少しの隙間に見える青と太陽の光を宿した空は、まるで自分の人生みたいだ。気づいたら曇っていて、光はずっと遠い場所へ行ってしまった。かといって真っ暗でもないから、まだやり直しは効く、そんなところが。往生際が悪いと言えばそれまでだが、人生をこれ以上諦めたくない。差し込んだ光に縋って、みっともなくても、1年後どうしているかすら見えなくても。青空と太陽を遠いだけの存在にする諦めをせず、それを追いかけることをしてみたい。