2023-01-01から1年間の記事一覧

いつか薄れてしまっても

信じられないけれど今年ももうあと残すところ数日で、駆け足で過ぎ去ってゆく一年の早さを改めて実感するなどしている。 年内最後の出勤だった今朝、地下鉄のホームから地上に出て見える東京タワーはいつもよりからりとした朱色に見えて、今日まで眠って起き…

泡沫と永遠

新しい街での暮らしを始めて最初の夏が来た。職場の最寄り駅まわりは意外にも緑が多くて、最近はどこか近くの木でセミが鳴いている。鳴き声からしてあれはミンミンゼミだろうと思う。地元ではアブラゼミの大合唱が毎夏ものすごくて、外に出ると聴覚から体力…

片道切符で漕ぎ出して

なんだか唐突に春が来てしまったらしい。「らしい」などと他人事のような表現をするのはあまりにも唐突だったからで、現実が通り過ぎていく速度があまりにも早すぎて未だに実感が湧かないからだ。今年は桜の開花が例年より早いしついでに散り始めるのも早そ…

まだ見ぬ景色を脳裏に描いて

何度目になるのかそろそろわからなくなってきたが、今日も退勤後ひとりで入ったトイレの個室で声を殺して泣いた。昨年の同じ頃も同じトイレの個室で泣いたことがあったが、あの頃から私の中で何かが成長しただとか前進しただとか、そういうまぶしい変化は果…

開かれない遺書

いま仕上げたい文章が同時にいくつも存在していて、どこに記そうとしていることも全部私の内面で間違いないんだけれど、書こうとしていることが全く違う内容やテーマだから、本当の私はどこにもいなくて、今見ているものや感じているものももしかしたら全部…