静かに諦めることを

貰ったお菓子が美味しかったとき、社会につなげてもらっているんだなと実感を得る。三が日は駆け足で過ぎ去って、いつも通りの日々が呼吸を始めた。

今年に入って初めての雨が降った今日、最高気温も恐らく今季最低を記録している。予報だと7度。上空の気温がさらに冷えて、私の心の真ん中も満たされたらやわらかい雪が降ってくるだろうか。

11月に会った友人は北海道の人だった。15度ほどになった東京が寒い、自分の暮らす街はまだ下手したら20度くらいあると訴える私に「20度なんて9月頃の気温だよ」と笑っていた。同じ日本に住んでいても、気温が少し違うだけで全く異国のように思えてくる。この街が10度を下回る今日、彼女の街は一体どのくらい冷え込むのだろう。踏んだことのない北国の地、1月を想像する。いつかそちらに行く機会もあるのだろうか。

最近は元気と憂鬱を行ったり来たりしている。朝起きた時に胸を覆うぼんやりとした哀しさと闘いながら、忙しさで周りに優しくできない自分へ絶望しながら生きている。2021年は生きることが少しだけできるようになった一年だった。他人から見たら全く進歩していないと思われてしまいそうだが、それでも私が進歩できたと思うのだからそれで勝ちにしていいだろう。2022年はどうしたいだろうか。このままがいいだろうか。それとも進みたいだろうか。気付いたら紅白を見ている。時間の流れ方が年々加速していく。誰にもわからないし埋められない孤独を抱えていても、全部諦めて微笑むことができるようになりたい。